12年目の夏
2016年
最初の春に来た生徒さんは2人でした。秋には20人になり、翌年には30人になりました。その後、あくせくと、というよりも、ゆるゆると流れに身を任せるままに、10年以上経ち、150人という大所帯になりました。
リトミックのグループのお稽古を始める事に、特別大きな野望があったわけではないけれど、開設した当初、私にはあるビジョンがありました。
「お子さんのためだけのお教室」ではなくて、お母さんの気持ちに寄り添えるお教室。まだなりたての「お母さん」一生懸命に子育てを頑張る「お母さん達」を応援したくて、そんな親子に、まずは来て欲しかったのです。
ここに来て、ピアノを聴いて、絵本を広げて、音楽を楽しんで、少し先の未来を見て、お母さんが望めば、あんな風にピアノが奏でられるようになりますよと示してあげられる、そんな教室が理想でした。
あれから、12年経って…。1歳だった子は13歳になりました。
堂々とショパンを奏でたり、あるいはピアノが1番ではないけれど、ちょっと得意に弾ける曲もあるよ、という感じのやんちゃな男の子、リトミックから始めた親子が、きちんと私の想いに応えてくれました。こんなに大きく展開していくとは思いもよらなかったのですが、沢山の親子と出会い、結局は私達、講師がいろんな親子に支えられました。
私はまだ、旅の途中です。
自分の子育ても終わっていないし、自分のしたい事もまだまだ、あります。今も変わっていないこと、みるふぃーゆ、という名前に込めた、ひとつずつ堅実ながらもじっくりと、年輪を重ねるように、自分を、教室を、生徒さんを、育てていこう、という想い。これからも、親子に寄り添い、確かな1年を刻んでいきます。
12年目の夏に感謝の気持ちを込めて。
2016年夏